特定非営利活動法人

エンディングノート普及協会

終活は「まだ大丈夫」と「我が家は大丈夫」が命取り

著者:赤川 なおみ

終活は「まだ大丈夫」と「我が家は大丈夫」が命取り

終活について、講師としてはいろいろなケースを例にあげてお話させていただきます。

 

しかし、残念ながら「そうだよね」と頷いてくださっていても「私のことだ!」と思う方は少ないようです。

 

Q:終活はいつから始めらたよいのですか?

A:気づいた時から、今日から始めてください。人生の最後に向けて・・・なんて、いつが最後かわからないですよね?ず〜〜〜っと先のことかもしれないし、明日かもしれないでしょ?
「おぎゃ〜って」生まれたら、すべての人は人生の最後に向けて進んでいるんですものね〜(笑)

 

Q:親の財産を他の人に相続させたくなかったら、先に親の通帳から引き出せば良いですよね?

A:法律で決められているものがあるので、そんなに簡単にはいかないですよ。それに「親の財産=親の貯金」だけではないですし、先に引き出したことが後々も問題になるケースもありますからね。

まずはご相談ください。しっかり状況を把握しましょう。

 

これらは、よくいただく質問のほんの一部です。

お話した時には、みなさん「そうだそうだ」「やらなくちゃいけないよね」となるのですが、どうも「今すぐ」「自分のこと」だと結びつくのは難しい様子。

 

誰しも「まだ大丈夫」と思ってしまうのです。

身内の認知症は「まだ大丈夫」と思いたい

「まだ大丈夫」で手遅れになりがちなのは、身内の認知症。

 

ご本人も、そして家族も認知症を認めること、受け入れることは大変です。

 

なんとなく「最近大丈夫かしら?」「つじつまが合わないことが多いような気がする」と思っても「まぁまだ大丈夫」って思ってしまうのです。

 

銀行の定期預金の解約や、遺言書の作成、書き換え、土地の売買などは

  • ご自身の判断能力がなくなったら
  • ご自身で名前などが書けなくなったら

いくらご家族がいたとしても、できなくなります。

 

これらは、よく耳にする「成年後見制度」を利用しなくてはいけなくなるのです。

 

ただし、成年後見人については、あまり理解が進んでいないのが現状で「お金が使えなくなる」とか「他人にお金を任せるのは抵抗がある」などの理由で、広がりは今ひとつといった状態です。

契約できるかどうかは医師の診断が必要

いくらご家族で「まだギリギリわかっているはずです」「まだ自分で名前が書けます」と言っても、実際の契約ごとや遺言書に関しては、公証役場に行く前に、医師の診断書で「後見相当かどうか?」を診断していただかなくてはなりません。

 

専門家に診てもらったら何て言われるか・・・

と、隠していても、公正証書遺言では公証人の方に認めていただけないケースもあります。

 

また、銀行の定期預金や通帳の解約などは、本人が職員の前で自筆で書かなくてはいけません。

「そのくらい書けるよ」とご本人もご家族も思っていても、実際には何枚もの書類に、何回も文字を書くということは、高齢になればなるほど難しいものです。

 

実際に「1ヶ月前はしっかりしていたのに」という言葉をよく聞きます。

高齢になった方にとって、2週間でも状態は変わりますし、あっという間に手遅れになることが多いのです。

 

いくら家族だと言っても、息子だと言っても、できないものはできない。

 

実際に、銀行も動き出しています。

 

兎にも角にも、終活は

まだ大丈夫

我が家は大丈夫

が一番危険!!

 

これ、終活専門家として、皆さんに声を大にして言います!!!

 

心配になった〜

でも、何をしたら??という時は、いつでもお気軽にご相談ください!

 

 

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