特定非営利活動法人

エンディングノート普及協会

日別アーカイブ 2014年11月3日

著者:赤川 なおみ

終末期を自分で決められない? 日本の理想と現実

 
エンディングノートの書き方講座で他県版に記入して頂く際、介護の場所の希望のところでは「介護施設」と答える人が多いのですが、本心は「自宅」という方がほとんど。

本心を書けないのは「家族や大切な人に迷惑をかけたくないから」。

自宅での介護はてがかかり、迷惑をかけるというイメージからくるものでしょう。

そして日本では、終末期についての「本人のどうしたい」という意思よりも、医師や家族の「こうした方が良い」という意見の方が強いという現実。

講座でお話しをさせて頂く時に「延命治療をしたくないと言う方は、しっかりと意思を表示して伝えておく事が必要です」と何度もお伝えします。

「そこまで言わなくても」と思う方が多いのですが、調査によると「治療や看取りの方針を決定する人」という項目では、「理想は本人」が75,6%に対して「現実に本人となる」は14%(国民長寿センター研究報告書より)と理想と現実のギャップの大きさがはっきりと出ています。

日本では、医師も家族なども「本人の意思」よりも「生存時間」重視。

少しでも長く生きることが第一条件となることが多いのです。

その次に大切にされるのが「家族の意向」。だから本人は延命治療を希望しないのに、最終的に管に繋がれるわけです。

海外では「管に繋がれて少し長く生きることよりも、人として食べたり意思を伝えられる事の方が大切」と考える人が多いので、日本のように延命治療は進まないのだそうです。

福祉大国デンマークでは、医療従事者でさえ「延命治療はみたことはある」というくらい稀なことなのだそう。

だからと言って、家族がつきっきりで終末期を過ごしたり、介護のために家族が自分の生活を犠牲にするということはありません。

デンマークの高齢者の9割近くが夫婦又は単身で生活しているというのですから、日本の「一人は不安だ」という終末期とは違います。

確かに制度の差もあるので、今の日本で安心して単身の生活ができる場合ばかりではありません。

それでも、これからは政府も「在宅介護・在宅医療」をすすめていきます。そんな時、日本のギャップはどのように埋めていくのでしょう?

家族想いの優しい日本人。

そうでしょうか?それも否定はできませんが、現実問題「先生に決めてほしい」と治療について家族が決断できないので、そのまま延命治療になるというケースも珍しくありません。

「自分らしい生き方」「自分らしく生きる」と自分を見つめ、自分で決めた人生を歩む人が多くなったのに、最期はまるなげ?はやめたいもの。

自分らしく生きたい方、最期まで自分らしく生きる方法を考えてみませんか?
自分らしさ発見!ジブツタ(エンディングノート)活用法

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