特定非営利活動法人
11月11日は介護の日!
というわけではありませんが、特定非営利活動法人エンディングノート普及協会初の助成金事業「看取りとは?さまざまな立場の経験から〜第一回 介護の立場から〜」を開催いたしました。
第1部は、社会医療法人 社団 沼南会 管理栄養部 リハビリテーション部副部長で理学療法士の森田 裕治さんからのお話し。
様々なデータを提示していただきながら、考察、これからの課題まで、参加者の皆様にも考えていただきながら、充実の時間となりました。
日々講演活動をなさっている森田さん。
始まると同時に
はい、みなさん立ってくださ〜い
あれ?森田さんだから(理学療法士さんです)、まずは体を動かす?と思ったら・・・
ではみなさん、そのまま一つ前の席に移動をお願いしま〜す!
なんと!みなさんを前の席に誘導して、より聞きやすい場所に移動していただくよう促してくださいました。
この自然な流れ!素晴らしい!
この移動をしていただいたことで、会場と前で話す方の関係がより近くなって、私たちが準備していた以上に内容の濃い講演会になりました。(森田さんありがとうございます!)
流れるような森田さんの現場の取り組みのお話しは、
施設や専門職、家族、地域、行政の全てが情報を共有し、連携していく時代に向けてどう取り組むか?
そのためには「人生の自己申告」をしておくこと。
まさしくエンディングノートや自分ノートの作成の必要性を感じる内容でした。
第2部は、森田さんと介護福祉士さん2人の3人にご登壇いただいて、一般人代表の赤川の質問にお答えいただく形式で進めました。
今回の参加者さんの8割が介護に関わるお仕事の専門職さん。
みなさんお忙し中をお越しくださっただけあって、本当に熱心で「少しでも介護の現場を良くしていきたい!」という意気込みが伝わります。
家族とのコミュニケーション、連携が大切だ!とおっしゃる、そしてそのために動いておられるのに、家族との間にすれ違いが生じてしまうのはなぜだろう?
情報共有をして欲しいと望む介護関係者と、まだ大丈夫と先送りして手遅れになってしまう家族の間には、どんな考え方の違いがあるのだろう?
介護に関わるみなさんが、真剣に考えて頑張ってくださっているからこそ、その頑張りを理解できる家族でありたいと同時に
介護の制度も仕組みも、複雑すぎてついていけない
というのが一般人。
どのように伝えていくのか?どのようにコミュニケーションをとっていくのか?については、一般人代表の赤川から少し意地悪な質問をさせていただきました。
普段の生活で、連絡手段はLINEやメッセージが主流の今、介護施設からの連絡は電話かお手紙という超アナログ。昼間の連絡も、気になっても仕事中電話には出られないし、LINEやメールなら隠れて確認して返信もできるかもしれないのに。
それに、介護施設やサービスの情報を入手しようにも、HPやSNSが充実しているところは少なくて、情報収集が難しい。超アナログを改善できないものでしょうか?
これは個人的にもずっと思っていることです。
小学校や中学校でも、連絡網はLINEグループだったり、緊急のお知らせも一斉にメールが流れる時代。
「高齢者の方はそういうのは使わないので。。。」とおっしゃるけれど、みなさんが連絡をとっている相手は、40代〜60代のスマホ世代ではないのですか?
というのが私の意見でした。
これについては、コストもかかるしリスクマネジメントの問題もありますから、一足飛びに「やれば良いと思います!」といかないのは良くわかります。
それでも。今回投げかけさせていただいて、会場のみなさんにも考えていただけたこと、問題提起になったことはとても嬉しいことでした。
今回とっても嬉しかったこと。
それは高校生の参加者さんがいらしたこと。
チラシを見たとお電話をいただき、学校帰りに参加してくださいました。
一人で参加してくださった学生さん。どんなことを感じ、考えてくださったのでしょう。
帰り際に声をかけると「次回も参加して良いですか?」とのこと。
もちろん喜んで!大歓迎!
こうして、一人でも関心をもってくれることが大切で、そこから少しずつ輪が広がっていくのだと思います。
彼女の行動力に敬意を表し、これからの活動に勇気をいただいたのでした。
会場では、看護・介護のケアにメディカルアロマを取り入れる活動をしておられるNursing roseさんによる、アロマハンドトリートメントの体験コーナーも設置され、会場を和ませてくださいました。
次回は12月16日(土)に第2回「医療の立場から」と題して、在宅医療専門のまるやまクリニック院長 丸山先生にご登壇いただきます。
第2部では、在宅医療専門クリニックの看護師、訪問看護認定看護師、在宅専門薬剤師の3人の方にご登壇いただき、在宅医療の今をお話しいただきます。
11月11日(土)13時30分〜、福山市内にて「看取りとは?」をテーマにした講演会を開催いたします。
この講演会は三回連続企画となっており
の予定です。
※この講演会は公益財団法人在宅医療助成 勇美記念財団の助成対象事業です。
第一回の介護に関わる立場から、第1部の講演は、社会医療法人 社団 沼南会 管理栄養部 リハビリテーション部副部長で理学療法士の森田 裕治さんを講師にお迎えします。
森田さんは、施設内でのお仕事の他、福山市南部地域を中心に出前講座や市民講座の講師としても広くご活躍中です。
社会医療法人 社団 沼南会さんでは、グループホームなどを中心に「終の住処としての介護施設」として終末期〜看取りにも積極的に取り組んでおられ、ご本人も家族も「よかった」と言える時間を心がけておられます。
在宅看取りと言われる時代がきますが、介護施設も病院以外の”在宅看取りの場”となっていくはずです
終末期を自宅でという希望はあっても、全ての人が自宅で最期を迎えるのは現実的には難しい家族形態の現代では、施設を終の住処にしたいと願う人も多くなっています。
しかし、現場では人手不足によって「十分な対応ができないのではないか」「急変などへの対応はどのように行うのか」など、取り組み段階で問題を抱える施設も多いと聞きます。
また「人の死を体験したことのない世代」の家族や介護職員の増加によって「死を恐てしまう」という傾向にあることも事実です。
森田さんには「人生の最終段階のケア」について、詳しくお話しいただきます。
第2部は、2人の介護福祉士にもご登壇いただいて、パネルディスカッションを行います。
第2部からご登壇のお二人は、小規模多機能ホーム、デイサービス、グループホーム、特別養護老人ホームなどで長年介護福祉士として介護に携わっておられる、現役の介護福祉士さんです。
ここでは、介護サービスの現状や現場での取り組み、これまでのご経験を含めてお話ししていただく他、家族代表として特定非営利活動法人エンディングノート普及協会代表の赤川が、家族側からの要望や質問などを行っていきます。
入所サービスのないデイサービスでは、比較的「看取りとは縁遠い」と思われますが、高齢の方が利用する現場では、体調の急変など「いつも意識をすることが大切」とも言われます。
また、一度入所すると亡くなるまでの終の住処となる特別養護老人ホームでは、施設で終末期をどのように過ごしているのか、家族の関わりは?職員の方の関わりは?急変時はどうなるの?など、具体的に伺います。
「看取りとは」と文字にすると、どこか大変なことのように感じてしまいますが、どの方でも必ず訪れること。特別なことではありません。
人の最期を恐ることはありません。
しかし、しっかりと生き、しっかりと最期をかんがえていなければ、良い最期を迎えることが難しいというのは、終末医療や看取りに関わる専門職のかたが、みなさん言われることです。
この三回の講演会を通して、様々な年代の方に「看取り」「自分はどのよに最期を迎えたいのか」「どのように見送り、見送られたいのか」を考える機会にしていただきたいと願っております。
介護や医療の専門職の方はもちろん、一般の方、特に若い世代の方や親子、ご家族で聞いていただいたのち、みなさんで話題にしていただきたいと思います。
なお、11月11日は12時40分〜と終了後の15時40分〜、Nursing roseさんによるメディカルアロマハンドトリートメント体験を実施いたしますので、ぜひ体験してみてください。
入場は無料です。
一回目のみ会場が違います。
エムシー福山(旧NHKの東隣)
8月には東京で開催されたエンディング産業展が関西で開催されています。
葬儀・埋葬(お墓関連)・供養・終活などに関する設備や新しい商品やサービスです。
産業とは「人々が生活するうえで必要とされるものを生み出したり、提供したりする経済活動のこと(ウィキペディアより)」とあるよに、葬儀・埋葬・供養・終活などは、私たちの生活には欠かせないものですよね。
それにしても、東京・関西とエンディング産業展を視察して感じることは「こんなにもありとあらゆるサービスがあるのね!』ということ。
業者さんのスキルアップやサービス向上のためのサービスもあれば、協会にご相談くださる皆様にお知らせしたくなるようなものもあり。
中には「これを求めている人がいるのか?売りたいだけでは?」などというものもありますが、そこは淘汰されていくことでしょう。
二回のエンディング産業展を視察して強く感じたことは、エンディングにも「個性」を活かす時代なのだなということ。
生き方には「個性を活かす」「自分らしく」という言葉が溢れていますが、葬儀や埋葬、供養の方法に至るまで「個性を大切に」という流れがあるということ。
これまでの「葬儀の祭壇とはこういうもの」とか「仏壇は金箔で・・・」ということはないようです。
これは祭壇のお花。関西ですからね、さすがに「阪神タイガース」でした。
このような祭壇のお花を、生前ご本人がお好きだったものや、ご趣味を表現したものにというものは近年みられます。
私がおどろいたのはこちら。
華やかですが色味を抑えた、少し渋い感じですよね。
結婚式もそうですが、案外このようなカラーが流行りなのかもしれません。
そして、霊柩車もスタンダード使用というか「いかにも霊柩車」から、外からみるとわからない仕様とか。
自宅の供養も仏壇から手元供養などコンパクトに変わりつつあるのかな?
これは一部ですが、エンディングに関しても「これまでの習わしに従って」というよりも、
最期まで自分らしさを表現する時代
になっています。
ということは、これまで以上にしっかりと自分の思いを書残す必要があると思いませんか?
気になること、知りたいことなどご質問はお気軽に!
みなさんは「看取り」と聞いて、どのようなシーンが浮かぶでしょうか?
経験のあるなし、その時の感じ方で人それぞれであると思います。
看取りとはもともとは、「病人のそばにいて世話をする」、「死期まで見守る」、「看病する」という、患者を介護する行為そのものを表す言葉でしたが、最近では人生の最期(臨死期)における看取りを持って、単に「看取り」と言い表すことが多くなっています。
健康長寿ネット 看取りとは より
人をはじめ生き物は、生まれたら100%最期を迎えます。
自然災害にあう、事故に遭う、ガンや難病を発症するなどは、どんなに確率が高くても100%ということはないのですが、人が人生を終えることだけは、100%の確率であり、当然のことです。
なのに「死を恐れる」ようになったのはなぜでしょうか?
厚生労働省の「死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移」によると、昭和30年頃には家で亡くなる人が約76%に対して病院で亡くなる人は約12%でした。
しかし、平成21年には家で亡くなる人は約12%に対して病院で亡くなる人は約78%、施設で亡くなる方が約3%となり、全体の80%強の人が病院や施設で亡くなるようになりました。
最近では、すこしずつ「自宅で最期を迎えたい」と、病院から在宅に切り替えて住み慣れた家で最期を迎える方も増えてきましたが、今でも最後は救急車で病院へという流れが一般的です。
この変化で何が変わったのか?
それは「終末期や死が身近ではなくなった」ということです。
当然のように自宅で死を迎えていた頃は、家族みんなが終末期を見守り、体の変化を受け入れながら見送りました。
しかし、医療の進化とともに病院で最後まで治療を受けながら最期を迎える、医療の現場で、医師や専門のスタッフにその最期を委ねることが一般的になり、家族は終末期の責任を病院に任せるようになりました。
「自分の最期は住み慣れた自宅で」とエンディングノートに書きたいけれど、家族に迷惑をかけるから書けないという人、「最期は家に連れて帰ってあげたいけれど、容体が急変した時にすぐ対応できないから病院の方が安心」という家族。
延命治療を望まないという人が増える一方で、家族は終末期を専門家に託したい。
この矛盾を解決しなければ、本当に「自分らしい最期」を迎えることが難しいのではないでしょうか。
在宅介護・看護が推奨されるようになり、在宅看取りへの流れができつつありますが、実際に「在宅看取りを希望しても、見とる家族や身内がいない」というケースも多くなっています。
そこで終の住処が介護施設となり、介護の現場でも「看取り」が重要な課題となってきました。
介護のベテランである介護職員ですが、看取りを経験しているスタッフが充実しているとは限りません。
実際に、介護専門の学校を卒業し介護について学んだ学生たちも、これまでの人生において「人の死」に立ち会ったことがないという場合が多いのです。
核家族化が進み、祖父母や叔父叔母が亡くなる際にも、亡くなってから葬儀場で対面する、あるいはそのよな経験もないまま介護の世界に入り、人が亡くなっていくことを「怖い」と感じてしまうスタッフも少なくないと言います。
しかし、看取りの場は確実に病院でも自宅でもない「介護施設」という選択が進んできます。
介護施設での受け入れ態勢の強化はもちろんですが、家族の方も「看取りの場としての介護施設」について現状を把握し、
などをしっかりと考える必要があります。
このように、一言で「看取り」と言っても、様々なケースや考えるべきことがあります。
また、立場によっても考えることは違います。
この度特定非営利活動法人エンディングノート普及協会では「看取りとは?」をテーマに、それぞれの立場から看取りについて語っていただく講演会を開催いたします。
第1回は〜介護に関わる立場から〜 2017年11月11日(土) 13時30分〜15時30分
第2回は〜在宅に関わる立場から〜 2017年12月16日(土) 13時30分〜15時30分
第3回は〜これからの看取りと家族〜 2018年1月13日(土) 13時30分〜15時30分
各回とも、第1部はその立場の専門家による講演、第2部は専門家たちによるパネルディスカッションを予定しています。
それぞれの立場から、看取りを経験して考えること、これからの課題など、経験したからこそ語ることのできる、生の声をお伝えし、みなさまに考えていただきたいと思います。
会場では、看取りに関する本のご紹介や情報提供などを行います。
また、第1回の介護に関わる立場からの回では、介護・看護のケアにメディカルアロマを取り入れる活動をしているNursing roseさんによる、ハンドトリートメント体験も行いますので、ぜひ足をお運びください。
10月21日(土)にRUN伴福山&尾道ゴールを経て、シネマ尾道で上映中のケアニン~あなたでよかった~を観てきました。
神奈川県藤沢市の介護施設あおいけあの小規模多機能型居宅介護「おたがいさん」がモデルになっています。
あおいけあの代表加藤さんは、NHKの番組プロフェッショナル仕事の流儀でも取り上げられた方。
今回は、あまり先入観なく協会のRUN伴メンバーと一緒に鑑賞。
新人介護福祉士 大森君の「漠然と介護の道へ」から「どうやってコミュニケーションとったら良いの?」という、みんなが通る道からしっかりと向き合えるケアニンに成長していくストーリー。
成長していくというと、大森君が自分でがんばったかのように聞こえますが、その成長には一人の認知症高齢者との出会い、関わり、そして何よりも施設長や施設の先輩たちの声かけ、関わりが大きいのは言うまでもありません。
まぁね、途中から涙しますよね。特に私はすぐに泣くタイプ。必死で我慢していたのですが、最後はタオルを抱えていました。
この映画は、介護の専門職の方に宣伝されている感じがしますが、私は一般の方にもできる限り観て欲しい。
そして、何よりも
素晴らしい言葉かけよりも心を寄せること、その人を知ろうとすること、一緒に笑うこと
そのことが大切なんだよということを教えてくれる、素敵な作品です。
そうそう、そんな映画を観て感動した次の日「加藤さんの交流会があるのでこない?」と声をかけていただいて、なんと!生加藤さん(すみません)にお会いしました。
ニコニコ笑顔の加藤さん。多くの介護専門職のみなさんが集まっておられました。
そして!もうお一人。ケアニンの主題歌「星降る夜に」を作詞作曲した香川裕光さんも同席しておられて、素晴らしい歌声を聞かせてくださったのです♪
香川さんは広島ご出身で、ご自身も元介護職員。現在はシンガーソングライターとしてご活躍ですが、歌王2016でグランプリを受賞されただけあって、マイクなしの生歌でも圧巻の声量で会場のみなさんを魅了しました。
そんな方には、ぜひ観ていただきたい作品です。
※特別鑑賞チケットがまだありますので声をかけてくださいね!
大型台風接近で全国的にお天気が心配ですが・・・
明日10月21日(土)はRUN伴が福山市〜尾道市を走ります。そして、当協会もTEAMエンディングノート普及協会で参加します!
RUN伴(らんとも)は、認知症の人と伴に生きる社会を目指し、認知症の人、家族、支援者、一般市民が協力しあい、1つの襷をつなぎながら、ゴールを目指すイベントです。
福山市内は10月21日(土)に東部ルート、南部ルート、西部ルート、北部ルートの4つのルートの出発地点から福山市役所に集結、尾道に襷をつなぎます。
福山のRUN伴実行委員会は、RUN伴の趣旨に賛同している福山市内の介護施設や一般の市民で構成されており、福山市内のRUN伴に関するルート決定や当日までの準備、当日の進行などを行ってまいりました。
駅周辺では、みどりまち公園で開催される福祉まつり会場にもお邪魔します。
14時からは、福山市役所にて到着セレモニーが行われます。
TEAMエンディングノート普及協会
初エントリーのチームは、男性2名、女性1名の3名で北部ルートのスタートを担当します!
今回の担当距離は8.8Km・・・そう!8,8です!EN日と同じ!
明日は雨のようですが、みんなで力を合わせて頑張ります。
そうそう!素敵な横断幕を作っていただきました。
来年は新市町内をもっと走りたい!との思いを込めて、しんいちを入れてみました。
青い部分は新市で生まれた備後絣なのです!町内の方が町内の方を紹介してくださって、手作りしてくださいました。
こうして少しずつでも関わって頂けること、応援の輪をつないでくださること、本当に嬉しい限りです。
ルートは
網引公民館(8:45スタート)・ケアモール芦花(9:20スタート)→ディアレスト福山(9:50スタート)→デイサービスラヴィータ(10:20スタート)→幸千中学校→せんだの里→ローソン千田店→コミュニティハウスumbrella→福山市役所
を走りますので、見かけたら応援お願いします。
TEAMエンディングノート普及協会は
網引公民館(8:45)→新市公民館(9:05)→新市駅(9:10))→戸手駅(9:25)→ディアレスト福山(9:40)
となっております!
これまでに何度もアンコール放送されているハートネットTVのシリーズ認知症「当事者とつくる新時代 」。
39歳でアルツハイマー病と診断された丹野智文さんやオーストラリアのクリスティーン・ブライデンさんなど、当事者の方にスポットを当てた番組構成ですが、今夜10月18日(水)20時〜の再放送では「パートナー」にもスポットが当たります。
パートナーとは、介護者でも支援者でもなく、丹野さんが呼ぶ「対等な立場でともに行動する人」のこと。
丹野さんをはじめとする日本認知症ワーキンググループJDWGのみなさんは、みなさんの行動によって認知症に対する意識を変えていく活動をされています。
この活動は、認知症当事者の方に対する認識だけでなく、寄り添うパートナーに関しても様々な発信や投げかけをしています。
認知症に対する誤解や偏見は、これまでの様々な情報によって作り上げられてきました。
「診断されたらこの世の終わりだ」「何もできなくなる」「何もできない人」のようなイメージが先行し、認知症と診断された人が本来どのように生活しているのか?を見ることなく、ただただ恐れ、絶望していたように思います。
私の講座でも「認知症になるくらいなら・・・」と言われる方がいらっしゃいます。それは、認知症になったら全てが終わるようなイメージだからでしょう。
しかし、丹野さんや当事者のみなさんをみて「人生終わっている」と思うでしょうか?
6月にお招きした広島の竹内さんも、先のことをくよくよ考えるのではなく、日々楽しく生活することを心がけておられます。
それなのに、認知症当事者の周囲の人たちは、診断されるとすぐに「介護」「助けてあげなくてはいけない」となんでも手を差し伸べるようになります。
診断される直前まで手を出さなかったことでさえ、手を差し伸べてしまう。手を差し伸べた人は「優しさ」かもしれませんが、手を差し伸べられた人は「今までと違うのだ」と感じることでしょう。
このように、なんでも手を差し伸べることが支援ではなく、当事者の人たちが必要としていることではないのです。
このことを、ハートネットTVのシリーズ認知症「当事者とつくる新時代 ・パートナーとみつけた希望」では伝えています。
9月に岡山県笠岡市で開催された若年性認知症イノベーションフォーラムでも、二人のパートナーの方にお会いしました。
これまでにテレビやネットなどではパートナーの方の存在を知っていましたが、お会いするのは初めてでした。
会場での様々な場面を拝見し、当事者の方の笑顔は、パートナーの方との絶妙な距離感によって生み出されるもので、それは手を差し伸べすぎず、つき離さずという、一朝一夕ではなしえない関係なのだなと感じました。
こちらにその時の様子を紹介された、町永俊雄さんの記事があります。
誰もが当事者となり、誰もがパートナーとなりうるこれからの時代。
もっと積極的に認知症について学んで参りましょう。
丹野智文さんの著書
先日の若年性認知症イノベーションフォーラムin笠岡の午後の後援で、丹野さんと当日急遽登壇した36歳の男性との会話。
丹野さんは、ご自身の本「丹野智文 笑顔で生きる」(丹野智文 著、奥野修司 監修 文藝春秋) の中でも、仕事の仕方について書いておられます。
若年性アルツハイマー病と診断されても、同じ職場で仕事を続ける丹野さんの仕事術は「とにかく書く」というもの。
とにかくなんでも書いてある。
仕事の手順やら気をつける点やら、丹野さんは書き込んだ2冊のノートを使ってお仕事をしているらしいのですが、なんとそのノートは丹野さんの同僚にも大人気。
同僚の方もそのノートをみれば、仕事ができる!ということで、人気の丹野さんノートらしいのですが「返ってきたノートにその人の書き込みがしてあることもあるんですよ」というほど、みんなにとって必需品となっているそうなのです。
フォーラムのステージ上で、急遽登壇した36歳の男性にも、丹野さんから
「仕事はどのようにやっていますか?」
という質問が投げかけられたのですが、やはりその男性も
「とにかく書きます。なんでも。忘れちゃいけないと思うから、なんでも書いています」
と、やはり「書く」ことを大切にしているとおっしゃっていました。
人間誰でも、頭の中だけで覚えておくことには限界がありますし、覚えていたとしても頭の中で全てを整理するのは限界があります。
だから書く。書いて整理する。
この会話のお二人は、仕事は現役。働き盛り。
この日のお二人の会話を聞きながら、やはり認知症と診断されてもされなくても、仕事に対しての「向き合い方」や「書いて(入力して?)整理する」ということは、誰でも変わらないなぁと再認識しました。
書くのが苦手な人もおられますね。
私はどちらかというとメモ魔なので、なんでも書きたくなります。
トレードマークとなりつつある「スヌーピーのモレスキン手帳」は、どちらかというと大きめで荷物になるタイプ。
毎日1枚の書き込み欄があるごっついタイプなのですが、これになんでも書きます。
書くことが苦手な人は
など、先に頭で考えてしまうことが多いように思います。
確かに、手帳って「自分がわかれば良い」と思う人と「とにかく綺麗に書きたい」という人にわかれますよね。
みなさんはどちらですか?
私も、モレスキンのノートを使い始めた頃には「綺麗に書かなくちゃ」と思って、何もかけない時期がありました。
しかし、書かないままではノートを持っている意味がない。それなら、なんでも良いから書いてみよう。
そう思って書くようになると、字が綺麗とは決して言えないけれど「私のモレスキンノート」が出来上がっていきました。
とにかくなんでもこれに書いてある。
そのノートには、とても愛着が湧いて「大好きな私の記録」として毎年積み重ねています。
もちろん、アナログが全てではないので、スマホやタブレットのメモに全て入っているというのでも構わないと思います。
こうして考えると、エンディングノートがかけない人も、きっと
と思ってしまって、手が止まっているのかもしれませんね。
先ほどのフォーラム登壇者のお二人も
書かなくて不安になるくらいなら、書き過ぎでもなんでも書いたほうが安心
というお話をされていました。
エンディングノートって、まさにこれ。
なんて思っていると、いつまでも書けないと思うのです。
そう思いながら、頭でごちゃごちゃ考えていませんか?
エンディングノートには法的な効力はありません。遺言書のように「こう書きなさい」という決まりもありません。
正しい書き方なんていうのもない。
でも、書いたから褒めてくれるわけでも、何か賞をいただけるなんていうものでもない。
でも、いろいろ書いておくことで、自分にもしものことがあった時や、判断能力が亡くなった時でも、自分の意思を尊重してもらえるチャンスがあります。
最期まで自分らしく生きたい
自分らしくありたい
そう思う方は、ぜひともエンディングノートに書き込んでください。
書く内容は何でも良いのです。書き始めに構えてしまうようであれば、
何でも良いので書き始めてみる。
もちろん、ノートだって何でも大丈夫。
売っているエンディングノートは好みじゃない!という方は、お好きなノートで始めてください。
私のようにお気に入りの手帳がある方は、そこに書いてみましょう。
それでもエンディングノートがあったほうが書きやすいなぁ・・と思う方、協会オリジナルノートの購入もできますので、お気軽にお問い合わせくださいね。
9月26日(火)岡山県笠岡市の笠岡市民会館にて、若年性認知症イノベーションフォーラムin笠岡2017が開催されました。
主催はきのこグループさんで、丹野智文さんを招かれるのは昨年に続いて2回目。
当日当協会では、丹野さんの本「丹野智文 笑顔で生きる」(丹野智文 著、奥野修司 監修 文藝春秋)の販売ブースを、RUN伴広島、RUN伴岡山の皆さんと一緒に担当させていただきました。
会場では、認知症カフェコーナーが設けられ、11時のスタートからお茶を飲みながら情報交換をする人たちで賑わっていました。
丹野さんを交えたフォーラムのプログラムは午後からでしたが、午前中には岡山県内の認知症当事者の方と日本認知症ワーキンググループメンバーで、笠岡に駆けつけてくださっていた、広島の竹内祐さん、名古屋の山田真由美さん、そして丹野さんとの交流の時間が持たれました。
今回のイノベーションフォーラムに先立ち、主催者からは「岡山には若年性認知症の方がいない」と言われていたそうですが、当日は5人の方が集まりました。
しかし今回は、35歳で診断されてから、誰にも言わず、家族の会などの支援団体にも入らず、ずっと一人で悩んでおられた男性が勇気を持って一歩を踏み出すという、とても嬉しいことが起こりました。
これまで絶望的だったその男性は、今回のフォーラム、同じように39歳で診断された丹野さんを知って、勇気を出してコンタクトを取ってこられたそうです。
そして、認知症当事者の皆さんと会い、話す中で「自分も今日から変わろう」と決心をされた。
この勇気と希望を与えたのは、家族でも医師でもない。
同じように若年性認知症と診断され、絶望を味わい、そして仲間によって笑顔を取り戻した皆さんに出会えたからですよね。
仙台では、丹野さんを中心にした「ご本人のためのもの忘れ総合相談窓口 おれんじドア」が開設されています。
丹野さんも診断された当初は落ち込み、引きこもったと本にも書かれているのですが、その丹野さんを笑顔にしたのは、今回も参加されている広島の竹内さんでした。
丹野さんより先に若年性認知症と診断され、診断された時の絶望も引きこもりも経験し、今は笑顔で全国を飛び回っておられる竹内さんに会ったことで、丹野さんは生まれ変わったように笑顔になったそうです。(丹野智文 笑顔で生きるより)
その経験から、今では丹野さんご自身が、
認知症と診断された人の、
その不安を一緒に乗り越えられたら…
と活動されているのがおれんじドア。
通常は仙台市内を中心に活動されているのですが、今回はまさに「笠岡におれんじドアがやってきた!」という感じだったのではないでしょうか。
前述の丹野さんの本もそうですが、2017年に入って認知症当事者の方が書かれた本が相次いで出版されています。
これまでの「認知症になったら何もできなくなる」というイメージを覆し、「認知症=絶望ではない」ということを、認知症当事者の方たちが発信しています。
本以外にも、日本認知症ワーキンググループのみなさんが積極的に講演活動を行っておられますが、やはりそれには限界があります。
丹野さんの場合、特に平日はお仕事ですから、現在でもかなりのハードスケジュールで全国を回っておられると思うのです。
その点、本は全国どこでも手に入れることができ、最近では書店がない地域でもすぐに届くシステムが充実しています。
そしてその本には、当事者の皆さんが悩んだこと、不安だったこと、その中で見出した光、希望などを、経験したから伝わる言葉で書かれているのです。
これを手に取って読むことで、丹野さんのおれんじドアに参加できなくても、最初の一歩をふみだせる方がたくさんいることでしょう。
ですから、特定非営利活動法人エンディングノート普及協会では、本の販売を積極的にお手伝いさせていただきたいし、当事者ブックフェアも開催していきたい。
どんな小さな取り組みであっても、一歩を踏み出すことが大切ですね。
フォーラム終了後には、会場で丹野さんの本を買ってくださった方に、丹野さんがサインをしてくださいました!
あらかじめお名前を聞いて行ったのですが、講演終了と同時に長蛇の列!
サイン本を手にした皆さん!ぜひお友だちや周りの皆さんにもご紹介くださいね。
当事者ブックフェアに関するお問い合わせはこちらから
9月21日は世界アルツハイマーデー(1994年世界アルツハイマー病協会が制定)そして9月は世界アルツハイマー月間です。
各地で啓発イベントや講座が開催されたり、オレンジライトアップが行われます。
2017年オレンジライトアップはこちら→ライトアップ
超高齢化社会へまっしぐらの日本において「認知症」は切っても切れない疾患となってきます。
先日、広島で開催された「第4回広島県認知症ケア専門会研修会」に参加させていただきました。
講師は認知症介護研究・研修東京セミターのセンター長の山口晴保先生。
認知症介護研究の世界では第一人の先生ですが、まるで綾小路きみまろさんが話しているように、笑いの絶えない2時間でした。
認知症の疾患別に詳しく解説をしてくださった部分につきましては、先生の本をご参考にしていただければと思います。
山口先生は
など、え???と思うけど、あっさりと、にっこりとお話になるのです。
元気で長生き=認知症のリスクは高くなる
要するに
長寿と認知症はセット販売が基本です
笑ってしまいましたが、とても腑に落ちました。
そして、データを見ながら解説してくださった際にも、
40代で認知症になろうと思ったら宝くじを当てるくらい難しいけど、75歳を過ぎたらかなりの高確率でなれます
という言葉に、見る角度を変えるってこういうことなんだなぁと、妙に納得したのでした。
さて、今回のお話をお聞きして、私は、協会は何をしていくべきなのか?
認知症介護やケアは専門家の方々にお任せすることにして、私たちだからできることは何か?をしっかりと考えて取り組みたいと思います。
私が講演をさせていただ時も、みなさん「認知症は困る」と言われます。
そして、各種高齢者向けの講座では「認知症予防」をテーマにしたものが多く、みなさん集まっては予防体操や脳トレに励んでおられます。
少し前にも「予防」ではなく「まちづくり」を、と書いたことがありますが、私は認知症予防や脳トレに「前向きに」励む人たちを見て、逆に「後ろ向き」な感じがしていました。
少しでも元気で長生きを!と、みなさん元気に集まって体操などをする姿は、一見前向きな人たちだけど、それに励む裏側には「病気になりたくない」「認知症になりたくない」と「なりたくない」という気持ちが大きいのですよね。
ある種の恐怖とでもいうか、なったら困るから必死で予防する。恐れの裏返しになってる人も多いように思います。
実は「なったらどうしよう」というような不安を抱えた精神状態は、かえって様々な病気を誘発することも少なくありません。ストレスは様々な病気の原因になるのは、みなさんご存知ですよね。
とても納得、そして恐れたって気にしたって、これだけ長生きの時代なら誰しも認知症になるのは高確率。
「なったらどうしよう」ではなく「なってもなんとかなる」準備をした方が、よほど前向きかな?
なってもなんとかなる!
まちづくりは世代に関係なく「誰でも安心して暮らせる」ための取り組みです。
まずはRUN伴2017にエントリーしよう!