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2025.09.25

講座開催報告:まずは自分のスマホから!「スマホの終活」を考える

 先日当協会では、「スマホの終活」をテーマにした福祉専門職、高齢者に関わるお仕事の方、親のスマホが気になる方向けに特別講座を開催しました。
 スマートフォンが生活に欠かせない存在となる一方で、利用が広がる高齢者の間では、便利さの裏に潜むリスクや将来の引継ぎの問題が大きな課題となっています。この講座では、理事長の赤川とデジタル・スマホ終活箱専門講師 日名志穂が講師を担当し、高齢者のスマホ利用における現状と課題、「スマホの終活」の具体的な取り組みについてお話しさせていただきました。

高齢者のスマホ利用の現状と課題

 ここ数年で高齢者のスマホ利用は一気に一般化しました。ガラケーから泣く泣くスマホに移行した人も、わからないながらも使えるようになりましたが、「わからないけど使えるようになったからこそ」のトラブルも増加しています。
 たとえば、「当選しました」といった表示に反応してしまい、詐欺被害に遭うケース。意図せず不要なアプリがインストールされていたり、知らないうちに定期課金サービスに登録されていたりする事例も紹介させていただきました。

 また、孫が遊びに来た際にスマホを貸したことで普段は使わないアプリをインストールし、気づかないうちに容量や契約に影響が出てしまうこともあります。行政や企業はスマホ教室を開催していますが、便利な使い方は教えても「危険性」や「管理の大切さ」までは十分に伝えきれていないのが現状です。

「スマホの終活」とは?

「スマホの終活」とは、スマートフォン内に蓄積される情報や契約を整理し、将来の引継ぎや管理をスムーズにするための取り組みを指します。
具体的には以下のような活動が含まれます。

  • 不要なアプリの削除
  • サブスクリプション(定期購入)の確認・整理
  • Wi-Fi設定の見直しと危険な接続先の削除
  • 写真や動画データの整理
  • アカウントやパスワードの管理

 以上の操作については、スマホ終活箱専門講師の日名先生から、 表面的には見えていない部分を確認する方法、残ったままのWi-Fi設定やアプリの危険性についても話されました。

 写真の整理については、「毎年同じ花火や庭の花の写真が大量にある場合は削除を!」という例も紹介され、最新のものだけを残す工夫が有効だと解説されました。

 またパスワードの管理については、書き出す必要性はもちろんのこと、現在はアンドロイドなら独自に実装されているGoogleパスワードマネージャー、iPhoneならパスワード管理アプリを活用することで、わかりづらい情報を一元的に整理することも推奨されていました。

講座内の質疑応答から

質疑応答の時間には、参加者からさまざまな質問が寄せられました。

  • 「iPhoneの雲のマークは課金中ではないのか?」
     → 過去にインストールしたアプリを示すマークであり、課金が残っている可能性もあるためサブスクリプションの設定確認が必要です。
  • 「パスコードを何度間違えるとロックがかかるのか?」
     → iPhoneは10回連続で誤入力すると初期化へ誘導、Androidは5回で一時ロック、10回以上で初期化されるケースがあります。
  • 「マイナンバーカードをスマホに入れることの是非」
     → スマホの紛失や盗難のリスクを考えると慎重な判断が必要。スマホに入れるよりも、まずは日々携帯する習慣とパスワードを覚えておく習慣の徹底を!

 その他日名先生からは、「今後施行されるスマホ法案」についても、ニュースなどに注目して欲しいと呼びかけがありました。スマホ法案が施行された場合、アプリの入手経路が多様化するなど、スマホの危険性が高まるのではないか?との指摘もありました。

高齢者のスマホサポートを一緒に進めましょう!

 高齢者のスマホ利用を支え、トラブルから守るためには、定期的な確認と支援体制が欠かせません。長年シニアのスマホやタブレット活用を指導してきた日名先生からは、「特に75歳を超えると、急に操作が難しくなったり、新しい機能の習得が困難になったりする傾向があるので、今できていても今後どうなのか?年齢ごとに使い方を考えることも必要なのではないか」とのアドバイスもありました。

 そのため、家族や支援者が定期的にチェックすること、また専門知識を持つ「シニアスマホアドバイザー」のような存在が今後さらに重要になると強調されました。さらに、OSやアプリを最新に保つこと、特にAndroidは自動更新されない場合が多いため手動での確認が必要である点も注意が促されました。

 協会では「スマホの終活箱ナビゲーター」のような、これまでの終活やエンディングノートを伝える知識に加え、スマホの終活に特化した専門家を養成し、情報の整理や引継ぎをサポートする仕組みづくりを行っていくことをお伝えして講座は終了しました。

 今回の講座を通じて改めて明らかになったのは、スマートフォンが「生活の一部」であると同時に「資産の一部」として扱うべき存在になっているということです。高齢者が安心してスマホを使い続けるためには、家族や地域、そして専門家が連携してサポートする体制が不可欠です。

「スマホの終活」は、単なるデジタル整理ではなく、これからの時代に必要な“新しい終活”の形のひとつです。当協会では、今後もこうした学びの機会を通じて、多くの方が安全に、安心してスマホを活用できるよう支援してまいります。

終活に寄り添う仲間募集のご案内

当協会では、みなさんが取得された資格をさらに活かし、一緒に終活やエンディングノートについて不安を抱えている方に寄り添ってくださる仲間を募集中です。

ぜひ、エンディングノートナビゲーター®︎として、一緒に終活の輪を広げていっていただけませんか?

9月26日(金)20時〜は、リニューアルしたエンディングノートナビゲーター®︎養成講座 初級を開催しますので、ぜひ一度ご参加ください!

日時: 9月26日(金)20:00〜21:30
形式: オンライン講座(Zoom)
参加費: 5,000円
お申し込み: https://forms.gle/Vy7YtsUAc1PanA5B6
皆様のご参加を心よりお待ちしております!