災害時のプロボノ支援の実践
当協会では、H30年7月豪雨災害よりプロボノ支援を開始しています。
発災当初は呼びかけに賛同して集まってくださった医療・看護・介護・リハビリ職などのみなさんが、仕事の休みを利用して被災地に足を運び、避難所内の環境整備や被災者の皆さんの健康チェック、認知症の方の話し相手やお風呂の送迎支援など、公的機関の支援から外れてしまうような細やかな支援を行いました。
最初の呼びかけは、ご自身も被災した作業療法士の男性からでしたが、呼びかけた当初は「体力に自信がないので、炎天下で土砂撤去などはできないと思う」と参加を躊躇される方も多かったのですが「屋内、避難所内で手伝ってほしいことがたくさんあるんです」「どうか高齢者の話し相手になってください」と声をかけ「それならできるかも・・・」と、少しずつ参加者が増えました。
実際の支援内容は
- 歯磨きの介助
- 避難所内の片付けと衛生管理
- 着替えを選ぶなど物資選びの介助
- 話し相手
- 仮設風呂への送迎
- 看護師による血圧チェック
- 熱中症の人を医療機関につなぐ
などでした。支援を続ける中で見えてくる少しの変化を共有し、避難所責任者や医療機関に繋ぐ支援は避難所が閉鎖されるまで続けられました。
被災家屋の片付けなどが落ち着くと「することがない」という声が聞こえるようになります。片付けている間は目の前のことに必死ですが、日常生活を奪われた被災者にとっては、食事の準備ができない、畑仕事をしようにもできないなど、これまでやっていたことができないので「することがない」となってしまいます。
その頃からは、心のケアが中心の支援となります。
当協会では、看護や介護の現場にメディカルアロマを取り入れている団体と連携し、定期的に被災地を訪問してハンドトリートメントを行いながら話をする機会を設けています。ハンドトリートメントを行う場合も、看護や介護の視点で被災者に関わることで、体調の変化や心の変化がわかります。また、月1回でも継続して関わることで、復旧・復興のフェーズで変化する被災者の様子もわかり、今その人にとってどのような支援が必要なのか?を見つけることもできます。
このように、情報交換や勉強会を行うだけでなく、実践の場を設けながらプロボノ支援の仕組みをどのように作っていくのかを考えて活動を続けています。
災害時のプロボノ支援に関するお問い合わせ
※このページはJR西日本あんしん社会財団から助成を受けて作成したものです。