先日、手芸店のレジで見かけたおばあちゃん。
たぶん、認知症がゆるやかに進んでいるのだなぁ・・・と、感じた瞬間がありました。
きっと、みなさんも見かけているのでは?
認知症でも日常生活を送る
私が感じるのは
認知症=何もできない
というイメージを持っておられる方が多いこと。
しかし、実際には、心筋梗塞や脳血栓のように「突然倒れる」というようなものではなく、かなりの段階を経て認知症は進行しています。
だから、みなさんがイメージするような認知症の状態に、突然なるわけではありません。
どの人にも
あれ?ちょっとおかしい?
でも、気のせいかな?
ということがあり、その回数が増えたり、なんとなく違和感があったり・・・
それを、そのまま放置し、どんどん進行して「どうしましょう!」という段階で、
やはりそうか・・・
と、認めざるをえないことが多いのではないかと思います。
高齢化が進む日本でも、きっと日常的に「初期の認知症」の方を見かけているはずですし、もしかしたらご自身の親も、旦那さんも、奥さんも、そしてあなた自身にも、そんな兆候があるかもしれません。
先日のおばあちゃんも、手芸をされるのでしょうか?材料を買いに来ていらしたようでした。
そして、レジでお会計の時に、定員さんから「会員になるとお得ですよ」と声をかけられたようで、会員申し込み用紙に記入しておられました。
その時です。
何かに迷い始めました。
それは
住所と電話番号
の記入欄を見た時です。
◎◎を忘れたからわからない・・・
どうしよう・・・
と、しばらくブツブツと独り言のようではありますが、まわりにも聞こえる声で何度も同じことを言っています。
店員さんは、煮え切らないおばあちゃんにイライラしているのは明らか。
おばあちゃんの「会員になったら返品はできますか?」の質問にも、机に貼ってある「返品できません」の紙を無言で指差す状態。
そして「やめますか?やめるなら今なんですけど」ととどめをさし、おばあちゃんは諦めたようでした。
定員さんのイライラはわからないでもないのですが、もしも「これは?認知症かな?」と気づいていたら、他の対応もできたはずです。
少し前にも、スーパーで食材を買い物してレジを済ませ、袋に詰める台までカゴを持ってきたところで、忘れて帰っているのを見かけました。
きっと、お財布にお釣りを入れたか何か、一瞬他のことをしたのでしょう。
そうすると、買い物をしたことを忘れて帰ってしまった・・・
ただそそっかしくて「あ!そうだった!」と、真っ赤になりながら引き返すのとは違うのです。
自分が「買い物をした」という行動を全く忘れているから、取りに帰ることはありません。
このように、日常生活全てにおいて、認知症を発症したとしても、日常生活がそのまま続いている場合が多いと思われます。
困るか?困らないか?
先ほどの買い物カゴの中身を忘れているのを見た時、「きっと帰ってから困っているだろうに・・・」と、私は思いました。
しかし、認知症についていろいろと知る中で
実は、本人は困っていない
ということに気づきました。
先ほど書いたように「買い物をした」ということを全て忘れているとしたら「どうしよう、忘れてきてしまった」という発想にはなりませんよね。
きっと、次に冷蔵庫を開けた時などに「あれ?ないなぁ。買いに行かなくちゃ」となるはずです。
だから
実は、本人は困っていない
のです。
私のように、自分の常識の中で考えると
買い物した物を忘れたら困るだろう
と、相手を自分に置き換えて考えて「困るだろう」
なのですが、ご本人にしてみれば
あら?ないからまた買いに行こう
くらいなことかもしれません。
要するに
認知症になったら困る!
というのは、
当事者ではなく周りの人
なのではないか?と、認知症を知れば知るほど思います。
そして、認知症かな?と気づくのも
本人よりも周りの人
だと思うのです。
認知症を正しく知る
認知症が発症したからと言って、特別な生活を送らなくてはいけないわけではありません。
日常生活を送っていますし、明らかに生活に困難をきたしているのでは?と思っても、ご本人は気づいていないということもあります。
だからと言って、何もしなくて良いわけではない。
車の事故や踏切の事故が起こっているように、やはり危険はつきものです。
認知症でも日常生活に困らない
ためには、世の中が認知症を正しく理解し、
- 気づいたらどうするのか
- 声かけは?
- 行動は?
- 何をすれば良い?
を、知ること。
今は、認知症と診断された方ご自身が、積極的に発信をされています。
ぜひ、その方たちの声を聞いてみましょう。
実際にサポートしている人の声を聞いてみましょう。
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