お知らせ
当事者とつくる新時代 ・パートナーと見つけた希望
これまでに何度もアンコール放送されているハートネットTVのシリーズ認知症「当事者とつくる新時代 」。
39歳でアルツハイマー病と診断された丹野智文さんやオーストラリアのクリスティーン・ブライデンさんなど、当事者の方にスポットを当てた番組構成ですが、今夜10月18日(水)20時〜の再放送では「パートナー」にもスポットが当たります。
パートナーとは、介護者でも支援者でもなく、丹野さんが呼ぶ「対等な立場でともに行動する人」のこと。
丹野さんをはじめとする日本認知症ワーキンググループJDWGのみなさんは、みなさんの行動によって認知症に対する意識を変えていく活動をされています。
この活動は、認知症当事者の方に対する認識だけでなく、寄り添うパートナーに関しても様々な発信や投げかけをしています。
全てを「してあげること」が支援ではない
認知症に対する誤解や偏見は、これまでの様々な情報によって作り上げられてきました。
「診断されたらこの世の終わりだ」「何もできなくなる」「何もできない人」のようなイメージが先行し、認知症と診断された人が本来どのように生活しているのか?を見ることなく、ただただ恐れ、絶望していたように思います。
私の講座でも「認知症になるくらいなら・・・」と言われる方がいらっしゃいます。それは、認知症になったら全てが終わるようなイメージだからでしょう。
しかし、丹野さんや当事者のみなさんをみて「人生終わっている」と思うでしょうか?
6月にお招きした広島の竹内さんも、先のことをくよくよ考えるのではなく、日々楽しく生活することを心がけておられます。
それなのに、認知症当事者の周囲の人たちは、診断されるとすぐに「介護」「助けてあげなくてはいけない」となんでも手を差し伸べるようになります。
診断される直前まで手を出さなかったことでさえ、手を差し伸べてしまう。手を差し伸べた人は「優しさ」かもしれませんが、手を差し伸べられた人は「今までと違うのだ」と感じることでしょう。
このように、なんでも手を差し伸べることが支援ではなく、当事者の人たちが必要としていることではないのです。
このことを、ハートネットTVのシリーズ認知症「当事者とつくる新時代 ・パートナーとみつけた希望」では伝えています。
失敗を繰り返しながら学ぶ当事者支援
9月に岡山県笠岡市で開催された若年性認知症イノベーションフォーラムでも、二人のパートナーの方にお会いしました。
これまでにテレビやネットなどではパートナーの方の存在を知っていましたが、お会いするのは初めてでした。
会場での様々な場面を拝見し、当事者の方の笑顔は、パートナーの方との絶妙な距離感によって生み出されるもので、それは手を差し伸べすぎず、つき離さずという、一朝一夕ではなしえない関係なのだなと感じました。
こちらにその時の様子を紹介された、町永俊雄さんの記事があります。
誰もが当事者となり、誰もがパートナーとなりうるこれからの時代。
もっと積極的に認知症について学んで参りましょう。
丹野智文さんの著書