特定非営利活動法人

エンディングノート普及協会

災害時のプロボノ支援

日本は超高齢化時代に突入し、今後は一層深刻な少子化時代となります。また単身世帯や高齢者のみの世帯が増加し、地域の支え合い、地域コミュニティの再生が大きな課題となっています。この課題は頻発する災害に対応する意味でも大きな課題であり、各自治体では自主防災組織の構築を進めています。しかし自治体組織の構成メンバーも高齢化が進み活動が難しいという声もあがっています。

災害時の避難行動について、人的被害が出る前に「早期避難」を呼びかけるようになりましたが、早期避難する場合の避難行動や避難所は「早期避難」を必要とする人たちにとって行動に移しやすいものになっているでしょうか?

避難所までの道のり、避難所までの持ち物、避難所のトイレ事情、避難所のあり方については、各種支援団体から改善提案などが出され、検討も進められていますが、その間にも災害は発生します。まずは自助の延長として「身近にいる専門家の力を活かすこと」からはじめることで、頻発する災害に対応する。

災害時こそ「プロボノ支援」が必要と考えます。特定非営利活動法人エンディングノート普及協会では、H30年7月豪雨で甚大な被害を受けた広島県三原市本郷町に発災3日目からボランテイァとして入り、避難所運営や被災者の生活再建支援を行ってきた代表理事赤川と、当時呼びかけにこたえて避難所でボランティア活動を行った医療や介護に関わる専門職、活動を通して出会った各種団体やプロボノ活動に関心を寄せる人たちと勉強会や被災地支援を行いながら仕組みづくりを進めています。

頻発する災害と支援を必要とする人たちの増加

東日本大地震以降、災害時の高齢者の問題は様々に取り上げられていますが、高齢者支援においては復興期の見守り支援が中心となっており、避難所生活における高齢者への配慮はまだまだなされていないのが現状です。しかし、災害復旧ボランティアと並行して、発災直後から避難所や在宅避難高齢者への生活支援は必要不可欠であり、災害後の生活の変化に対する高齢者への配慮は欠かすことができません。

もちろん、災害時に支援が必要なのは高齢者だけでなく、なんらかの障害を持った人や妊産婦、乳幼児、アレルギーを持った人など、多くの人が支援を必要とします。もちろん、平時は健康で支援を必要としない人でも、体調不良や怪我をして怪我をしているなどの場合に災害が発生すれば、避難する際にも避難所でも支援を必要とするかもしれません。

高齢者であっても、日常生活においては支援を必要としない人、介護サービスを利用していない人も多いのですが、災害が発生し非日常の生活になった際には支援を必要とすることを考えると、今後はますます災害時に支援を必要とする人は増えていきます。

必要なのは”寄り添う気持ち”

災害発生時に支援を必要とする人が増える一方で、個別の支援に対応できる人材を揃えることは難しく、支援が必要な人は「避難しない」という選択をせざるを得ないという人も多く、国が進める「高齢者等の早期避難」の呼びかけとは逆行します。早期に避難をしたとしても、現在の指定避難所に長く滞在することは不可能であったり、避難場所が遠く移動が困難などが「避難しない選択」を余儀なくされる原因でもあり、もし少しの思いやり、寄り添う気持ちが広がれば早期に安心して避難することができる人が増えることでしょう。

進む技術系プロボノ支援と進まないソフト系プロボノ支援

災害時のプロボノ支援は、東日本大地震以降「災害支援」を専門とする団体も増え、全国で頻発する災害にも発災直後から現地入りし、公的支援が始まる前から活動を始める団体も増えてきました。特に土砂撤去や被災家屋の片付け、屋根の上のブルーシート張りなど、技術系のプロボノ支援は様々な現場で力を発揮するようになりました。

被災地での経験とご自身の専門性を活かし、人力で土砂を撤去するのが難しい場所では重機専門のボランティアが入ったり、建築家が家の再建を支援したりとノウハウを蓄積しながらプロボノ支援が進んでいます。

一方ソフト面の寄り添い支援は、復旧活動が一旦落ち着いてからの支援となりがちです。「まずは住む場所をどうするか」が優先されがちですが、避難所には土砂撤去や家の片付けは体力的にも難しい高齢者などが残されます。「私には何もすることがない、役に立たない」と気力を無くし、一日中横になって過ごすことも珍しくありません。もちろん片付けや復旧作業は大切なことですし、クタクタになって避難所に帰ってくる家族に「おばあちゃんに声をかけてあげて」というのも難しいことでしょう。

そんな時、避難所に高齢者の話し相手や、気軽に困りごとを聞くことのできる人がいることは、一日中避難所にいることを余儀なくされた人にとって安心に繋がります。そして、話を聞いたり、高齢者の様子を見ながらその人の体調の変化や寝たきりにならない声かけをすることができれば、災害後の二次災害とも言える災害関連死を減らすことに繋がるでしょう。この「日常会話や生活の様子から変化を見抜く」ためにも、医療や介護に関わる専門家目線でのソフト面のボランティアが必要であり、ソフト面のボランティアは技術系ボランティアと同じく災害発生直後からの活動が求められています。

あなたの力を求めています!

  • 野外で活動する体力勝負のボランティアは自信がない
  • ボランティア活動したいけれど、自分にできることがあるの?
  • 地域の中で自分の仕事を活かしたボランティアは可能?

医療や介護、リハビリなどを仕事とするみなさん。災害時にはみなさんの力が必要です!土砂撤去や力仕事だけがボランティアではありません。早期避難をする時、避難所で過ごす時間、生活再建のための手続き等、支援が必要な人に寄り添う人が求められています。

ぜひ一緒に学び、考えていきましょう。

災害時のプロボの支援の仕組みを考える

災害発生直後からプロボノを活用した避難所支援

災害時の高齢者等支援が必要な人の生活支援

定期的な被災地訪問を通した心のケアと生活再建支援

関心のある方、参加してみたい方は、ぜひ下記フォームよりお問い合わせください。

プロボノ支援のお問い合わせ

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※このページはJR西日本あんしん社会財団から助成を受けて作成したものです。