特定非営利活動法人

エンディングノート普及協会

終活とは?いつから始めればいいの?


命の終わりに備えるための終活は、2009年から2010年にかけて中高齢者の間で浸透し始めましたね。

私たちの命はいずれ尽きます。死の瞬間に直面して初めて人生を振り返り、後悔することのないよう、最期に向けて準備を進めていきたいものです。

そこで今回の記事では、終活とは何か?いつから始めればいいのか?について解説します。
第2の人生を歩み始めた50歳以上の方は、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。

終活とは?

終活とは、自分の最期に向けた活動全般を指します。

死への価値観や取り組み方は信仰宗教などによって異なりますが、“活動の目的は“死の瞬間が訪れた時に家族に迷惑をかけないため”と共通しています。

終活の起源と背景

2009年に週刊朝日から終活に関する記事の連載が行われたことを筆頭に、その後も終活本と呼ばれる書籍が多数刊行されました。

ここから中高齢者を中心に終活が浸透し始め、2010年には流行語大賞にノミネート、2012年には流行語大賞でTOP10にランクインするまでになったのです。

終活がブームを巻き起こした背景には、日本の人口のうち3,000万人が65歳以上となり、超高齢化社会を迎えたという事実があります。

また、時代の変遷とともに老人ホーム・介護施設の不足が目立ち、不慮の孤独死を迎えるお年寄りが多いことも終活が注目を集めた背景だといえます。

終活の本質的な目的

終活を行う目的は残された家族に迷惑をかけないためですが、それだけではありません。
自分の身体が動くうちにやりたいことをやる”という目的もあります。

年齢を重ねれば、身体は不自由になっていきます。体力、腕力、脚力の衰えや関節痛が顕著になり、若い頃は何の支障も感じずにできたことができなくなってくるわけです。

次第に弱る自分の身体を憂いながら最期を迎えるのではなく、生きているうちにやりたいことをすべてやりきるというのが、終活の本質的な目的といえるのではないでしょうか。

終活に必要な準備とやり方

終活に必要な準備は3種類に分けて考えることができます。
詳しいやり方を添えて解説していきますので、上から順番に1つずつ見ていきましょう。

記録関連の終活

エンディングノートの準備と作成

エンディングノートは、人生の記録死後希望などをまとめるための終活アイテムです。
とはいえ、遺言書・遺書のように記述すべき内容が定められているわけではありません。

準備するノートの規格や使用するペン、分量などもすべて自分の采配で決めて良いのです。
何を書けばよいかがわからない方は、下記を参考にエンディングノートを作成しましょう。

自分の本籍地、生年月日、重要書類の保管場所、家族の名前、家系図、子供について

預貯金、保険、年金、不動産、有価証券、宝石品、ブランド品などの財産について

家族それぞれとの思い出話、自分の大切にしていた価値観、夢などについて

現在の病状について(延命措置/ドナー登録/終末期医療に関する希望)

葬儀の形式、菩提寺、喪主・出席してほしい人などの希望

遺言書の作成

遺言書とは、遺産相続人分配額を明記するための書物です。

法的効力の認められる遺言書には普通方式・特別方式の2種類があり、いずれも作成日時の明記、押印、署名がなされていることが条件になります。

たとえ本文が自筆で書かれていたとしても、上記の条件を満たさない遺言書は不備扱いされ、正式なものとは認められません。

片づけ関連の終活

生前整理

生前整理とは、遺品となる物品を整理することです。
重要書類のファイリングや不要な物の処分を少しずつ行いましょう。

ミニマルライフを目指して断捨離をすれば、自然と必要な物だけが残ります。
残された家族が遺品整理をせずに済む程度まで整頓しておくのがポイントです。

撮影関連の終活

遺影の撮影

遺影は何世代にもわたって残る大切な写真であり、葬儀の祭壇に飾られるものです。
生きているうちに撮影しておけば、家族が遺影選びに困ることはありません。

現在は、遺影撮影のスペシャリストもいます。お気に入りのスタイリスト、メイクさん、カメラマンに依頼して最高の1枚を撮ってもらいましょう。

終活を始めるのに最適なタイミング

終活を始める最適なタイミングは、あなたが思い立った時です。

高齢になってから開始するものと感じている方が大多数ですが、50代から生前整理やエンディングノートを活用して終活に取り組み始める方も少なくありません。

自分の人生を振り返るのにかけたい時間

持病の有無(現在の病状、健康状態)

エンディングノートに書きたい内容の量

家族と話すべきことの多さ

上記4点を検討しながら、自分が終活を始める最適なタイミングを割り出してみましょう。
いずれにせよ、プレッシャーや義務感を感じることなく終活に取り組めることが肝心です。

“○○歳から始めるべき”という定義はありませんが、余生を楽しむ時間が十分にとれるように早い段階で終活を始めておいて損はないはずです。

【まとめ】

終活は余生の前向きな過ごし方を実現するための活動です。

多くのネガティブな情報が交錯する昨今、必要に迫られて何かを始める方が多いかと思いますが、終活はその限りではありません。

限りある命が燃え尽きる瞬間まで納得のいく人生を送れるよう、あなたのペースで最期に向けた準備を進めてみてくださいね。