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献体ってどんな流れ?経験者に聞いてみました&注意点
献体(けんたい)
医学および歯学の発展のため、また、力量の高い医師・歯科医師を社会へ送りだすために、死後に自分の肉体(遺体)を解剖学の実習用教材となる事を約し、遺族が故人の意思に沿って大学病院の解剖学教室などに提供することである。
引用 Wikipedia
献体については、ご自身で献体を考えておられる方も、身近な方が希望されてる場合もあるかと思うのですが、各受け入れ団体によっても条件が異なります。
また、登録はしているけれども、実際に登録している人が亡くなった場合はどうするの?など、疑問をもたれている方も多いと思います。
そこで、今回は献体登録をしていた伯母さんがお亡くなりになり、遺骨が戻るまでの体験談をお聞きしました。
献体ってどんな流れ?経験者に聞いてみた!
音声配信は約50分、経験したelectronicさんことYさんに、伯母さんとの繋がりなど、基本的なことからお聞きしています。
Yさんにとって献体登録をいていた伯母さんは、
Yさんの夫のお父さんのお兄さんの妻
ということで、Yさんの夫も6等身という少し離れた存在です。
伯母さんにはお子さんがおられないこともあり、Yさんの夫が甥っ子ということで伯父さん亡き後Yさんの夫が伯母さんのお世話をすることになり、Yさんもずっと関わってこられました。
亡くなるまでのこと
病院と施設を行ったり来たりされていた伯母さんも90歳をすぎてからは療養施設に移り終末期を過ごされたそうです。
そんな中で、病院の方から「そろそろでしょうか」と言う連絡を受け、まずYさんがしたことがありました。
- 登録している団体に連絡、確認(登録はしているけれども現在でも有効かどうか、もうそろそろかもしれないが大丈夫か?の確認)
- もしも献体ができなかった場合やすぐに引き取ってもらえなかった場合の遺体安置場所について、懇意な住職に相談した
この時はまだ2019年夏頃だったのでコロナの影響もなく、通常感染症などなければ死亡の場合は献体が行われると言う確認が取れたとのことでした。
亡くなった時のこと
- 病院からの連絡の後、Yさんは献体登録団体に連絡、夫はすぐに病院に駆けつける。
- 登録団体から葬儀社に連絡、葬儀社がほどなく病院に到着
- 伯母さんと最後のお別れの時間を持ったのち、葬儀社の搬送車で登録していた大学病院へ
- その後は登録団体から、伯母さんの献体について行う研究内容などについて承諾の書類が届き、それらにサインをして提出
- しばらくして登録団体よりその後の予定(遺骨返還までの流れなど)の連絡あり
※2020年春より解剖の予定が新型コロナの感染拡大により予定がずれ込む - 2021年1月、合同慰霊祭に参列して遺骨を引き取る
- Yさんの自宅で遺骨を預かり、5月に納骨予定
ここまでの話の中でもありましたが「もしもなんらかの理由で献体が行われなかった場合」についてや、亡くなってから搬送されるまで病院で安置が可能なのか?なども事前確認は必要ということに気付きました。
もうそろそろかもしれない、という場合には一度登録団体に連絡をして流れの確認をすると安心ですね。
また、現在は必ず遺骨は引き取りの団体が多いです。引き取り拒否の場合は献体登録できない団体も多いので、必ず確認をしてみてください。
また、Yさんのように納骨まで時間がある場合や、すぐに納骨しない場合は、遺骨を引き取った後保管する場所が必要ですので、誰が、どこで遺骨を預かるのか?を確認しておきましよう。
遺骨は原則身内が引き取りだそうで、慰霊祭などに参列できない場合は団体から届けてくださるそうです。
葬儀はどうしたの?
Yさんの伯母さんは、夫である伯父さんも献体をしておられたそうで、伯父さんの時には遺骨が戻る前に「お別れ会」という形でご親戚やご友人が集まって執り行われたとのこと。
しかし伯母さんは90歳をすぎておられ、参列者も少ないことからお別れ会はせず、葬儀も納骨式も新型コロナウイルス感染拡大の影響で葬儀はしない、納骨式も食事はしないということに決めておられるとのことでした。
葬儀に関しては、亡くなってすぐに簡易的に身内で行われる場合もあるようですが、献体の場合はできる限り死後48時間以内に運ぶことが決まっているため、葬儀を行う場合も短時間でお別れすることになります。
また、合同の慰霊祭は行われますが、遺骨をひきとられてから「骨葬」として、改めて葬儀をされる場合もありますので、ご家族で決められることになります。
経験者にお話を聞いた感想
これまで、インターネットなどで献体登録についてや、ある程度の流れは確認していましたが、やはり体験してわかること、感じることがたくさんあると思いました。
お亡くなりになってからお別れまでの時間については、亡くなった方と立ち会う人の関係によっても「長い・短い」など感じ方は違うかもしれませんが、無理に引き離したり、お別れの時間も与えられないというようなことはないのだとわかりました。
そして、要所要所で事前確認をしておくことで、安心でスムーズな流れになることもわかりました。
コラボ後に気づいた「コロナ渦&おひとり様」の献体のこと
献体を希望しても登録できないケースは
感染症でお亡くなりになった場合
という項目があったので、コロナ渦の今だとどうなのだろう?と思い、ある団体に電話で確認をしました。
本人が新型コロナウイルスに感染してお亡くなりになった場合以外は、これまで通り献体できる
ということで、病院や施設でお亡くなりになったとしても大丈夫!と安心したのですが、実はコロナ以上に「登録できない」あるいは「登録していても亡くなったあとに引き受けてもらえない」大きな壁がありました。
よく身内がおられない方やお子さんがいらっしゃらない場合、葬儀も遺骨もいらないので献体をという声を聞くのですが、大前提として
- 本人が自分で申請できる
- 家族・親族の同意がある(何親等、何人以上などの条件付きの場合もあります)
- 遺骨を引き取ることができる
この条件をクリアしないといけないことはHPなどにも出ているのですが、もっと壁になると感じたのは
- 亡くなって遺体を引き取っていただく際に、家族・親族の立ち合いが必要
- 遺骨を受け取る際にも家族・身内が引き取りサインが必要(郵送などでも可)
これが条件になっている団体が多いということです。
お電話でお聞きした際にも
- もし登録されていても、お亡くなりになった際にご家族などが海外におられてお立ち合いが難し場合には献体できません
- ご家族・親族以外の立ち合いは認められません
- 遺骨の受け取りも、お越しいただくのが難しい場合は国内ならお届けもしくはお送りできますが、必ず家族・親族がお受け取りください
とのことでした。
多少の違いは団体ごとにあるようですが、概ねどこもそうですよとのことでした。
ということは・・・
- 献体に同意してくれる家族や親族が見つからない場合には献体登録できない
- 登録していても、亡くなった際に立ち会ってくれる家族や親族がいない場合には献体は実行されない
- 遺骨を引き取る家族や親族がいない場合も、登録はできないし登録していても献体は実行されない
ということです。
ということは、献体登録の時点ではご兄弟やいとこなどが同意してくれたとしても、時が経っていざ献体の時がきた時に、同意してくれた兄弟やいとこも立ち会うことができなければ、献体は実行されない・・・
そうなると、ご遺体をどうするのか?葬儀は?火葬の手続きは?とそこも考えておかなければならないということになります。
これらのことを考えると、エンディングノートに「献体希望」と書かれている方、書こうと思っておられる方は、早めの準備ともしもの時の準備を考えた上でお願いしなければ、託された家族や親族も「どうしたら良いの」と困ってしまうかもしれません。
今回は献体の流れについて経験者に聞くコラボライブから、登録まで、そして登録していても献体が実際に行われるまでの壁について考えてみました。
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