デジタル終活は、もうIDとパスワードの管理だけではない〜福祉・介護職に必要な新しい視点〜
高齢者支援の現場のみなさまへ。終活の中でも、「デジタル終活」、特にスマホやSNS・オンラインサービスといった“目に見えにくい遺産”の扱いについては、意外と準備が進んでいない、という調査結果があります。
【2025年最新調査】 デジタル終活「スマホやSNSをどうするか」は意識されながらも、実際の行動には移されにくい様子|終活ガイド資格者523人に聞いた意識調査
終活ガイド資格検定を持つ523名に行なった上記の意識調査では、「デジタル終活」という言葉を「知っている・聞いたことがある」が6割を超えるものの、実際には〔家族とスマホやSNSについて話したことがある人〕はわずか7.6%。管理も「していない」が52.5%に上るなど、意識と行動の間には大きなギャップがあることが明らかになっています。
このように、一般的な「終活」も「デジタル終活」も、聞いたことはあるけど実際に行動には移していないというのが現状のようです。しかし、それで良いのでしょうか?
なぜ福祉・介護の専門職にも「終活におけるスマホの対策」が必要か
福祉職・介護職の方は、高齢者の日常生活や最期に関わる機会が最も多い立場です。ケアの中で信頼関係を築き、遺品整理や家族との連絡、死後対応などに関して重要な関与が求められます。これまでも、もしもの時の連絡先の管理や口座情報の管理などを行なっている専門職の方も多いと思いますが、これからはスマホやデジタルデバイスの管理も必須となってきます。
実際に、スマホやSNS、オンライン口座などデジタル上の情報は、見落とされやすく、またトラブルや混乱の原因になることもあるからです。
- 高齢の利用者が残すデジタル遺品(写真・動画・メッセージ・SNS投稿など)の存在
- パスワードやアカウント情報を家族・支援者が知らない/見当たらないケースの多さ
- 契約中のサブスクリプションやネット銀行・株式・クラウドサービスなどの継続・解約・管理の煩雑さ
こうした観点から、福祉・介護の専門職があらかじめ知識を備えておくことは、利用者・家族への支援の質を大きく左右します。
スマホの「中身」を知ることが第一歩
「スマホの中身」を知ることとは?
- デジタル遺産・デジタル遺品とは何かを理解する
写真・動画、LINEやメッセージアプリのやり取り、SNS投稿、オンラインストレージ内のファイル、メール、クラウド上のデータなど、多岐にわたります。 - アカウント・パスワードの管理状態を把握する
どのようなサービスやアプリに登録し、利用しているのか。そのアプリの登録情報やID・パスワードはどこを見ればわかるのか、などを整理しておくことは、もしものときの混乱を防ぎ、必要な手続きをスムーズに進めることに役立ちます - 誰に何を委ねるかを決めておく
スマホやデジタルデバイスに関する手続きは、家族が行うのか、信頼できる支援者か、終活専門家か。アカウント削除やデータ整理はもちろん、時には海外の銀行とのやりとりや煩雑な手続きもあります。まずは手続きをする人をあらかじめ決めておくことが大切になります。
終活専門家の視点で学ぶ「スマホの終活専門職向け講座」
第1回のデジタル終活はじめの一歩の講座に参加してくださった専門職の方からのニーズを受けて、終活の専門家であり、デジタル終活を実践・指導している講師が、支援者・福祉・介護職を対象に専門職向け講座を開催することになりました。
- スマホ/デジタル遺産・遺品の具体的な内容・分類
- アカウント管理とパスワード管理の実務的な手順
- 利用者やその家族と「スマホやSNSについて話す」ためのコミュニケーション技能
- 法的・実務的な注意点(プライバシー・遺言との関係・契約の見直し等)
- 実例・ワークショップを交えて、現場ですぐに使える方法の習得
講座の詳細
日 時:9月22日(月)①10時〜11時30分 ②20時30分〜22時
対 象:福祉職・介護職など、高齢者支援に関わる専門職の方
参加費:3,000円(税込)
定 員:10名 ※先着順となりますので、お早めにお申込みください
申込み:申込みフォームよりお申込みください
この記事を読まれているあなたへ
もし、次のような思いがあるなら、この講座はまさにあなたの役に立ちます
- 「高齢者のスマホやネットアカウントで、家族やケアチームが困ることを未然に防ぎたい」
- 「利用者がデジタル上で残すものを整理・引き継ぐ支援ができる専門性を高めたい」
- 「現場でプライバシーや法律的なトラブルにならないよう、知識をアップデートしたい」
この講座で得られる知識とスキルは、利用者・ご家族に対する安心感を提供すると同時に、支援者自身の自信にもつながります。
デジタル終活は、もうIDとパスワードの管理だけではない
「デジタル終活」と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのはIDやパスワードの管理かもしれません。ですが実際には、それだけでは不十分です。写真や動画、SNSでのつながり、オンライン契約や資産など、スマホの中には多くの“人生の記録”が存在します。デジタル終活は、もうIDとパスワードの管理だけではありません。
利用者やご家族に寄り添う福祉・介護の専門職だからこそ、スマホ終活の正しい知識を持つことが求められています。
ぜひ、9月22日の専門職講座にご参加いただき、「デジタル遺産を支える専門性」を一緒に身につけましょう。
参加申込はこちらから →https://forms.gle/xN6VW3gu7niN1n9G7
お待ちしております!