お知らせ
認知症当事者の方から学ぶエンディングノートの有効性
先日の若年性認知症イノベーションフォーラムin笠岡の午後の後援で、丹野さんと当日急遽登壇した36歳の男性との会話。
丹野さんは、ご自身の本「丹野智文 笑顔で生きる」(丹野智文 著、奥野修司 監修 文藝春秋) の中でも、仕事の仕方について書いておられます。
認知症当事者のお二人から学んだ「書くこと」の大切さ
若年性アルツハイマー病と診断されても、同じ職場で仕事を続ける丹野さんの仕事術は「とにかく書く」というもの。
とにかくなんでも書いてある。
仕事の手順やら気をつける点やら、丹野さんは書き込んだ2冊のノートを使ってお仕事をしているらしいのですが、なんとそのノートは丹野さんの同僚にも大人気。
同僚の方もそのノートをみれば、仕事ができる!ということで、人気の丹野さんノートらしいのですが「返ってきたノートにその人の書き込みがしてあることもあるんですよ」というほど、みんなにとって必需品となっているそうなのです。
フォーラムのステージ上で、急遽登壇した36歳の男性にも、丹野さんから
「仕事はどのようにやっていますか?」
という質問が投げかけられたのですが、やはりその男性も
「とにかく書きます。なんでも。忘れちゃいけないと思うから、なんでも書いています」
と、やはり「書く」ことを大切にしているとおっしゃっていました。
人間誰でも、頭の中だけで覚えておくことには限界がありますし、覚えていたとしても頭の中で全てを整理するのは限界があります。
だから書く。書いて整理する。
この会話のお二人は、仕事は現役。働き盛り。
この日のお二人の会話を聞きながら、やはり認知症と診断されてもされなくても、仕事に対しての「向き合い方」や「書いて(入力して?)整理する」ということは、誰でも変わらないなぁと再認識しました。
なんでも書く(入力する)
書くのが苦手な人もおられますね。
私はどちらかというとメモ魔なので、なんでも書きたくなります。
トレードマークとなりつつある「スヌーピーのモレスキン手帳」は、どちらかというと大きめで荷物になるタイプ。
毎日1枚の書き込み欄があるごっついタイプなのですが、これになんでも書きます。
書くことが苦手な人は
- 綺麗に書きたい
- こんなことは書くまでもない
など、先に頭で考えてしまうことが多いように思います。
確かに、手帳って「自分がわかれば良い」と思う人と「とにかく綺麗に書きたい」という人にわかれますよね。
みなさんはどちらですか?
私も、モレスキンのノートを使い始めた頃には「綺麗に書かなくちゃ」と思って、何もかけない時期がありました。
しかし、書かないままではノートを持っている意味がない。それなら、なんでも良いから書いてみよう。
そう思って書くようになると、字が綺麗とは決して言えないけれど「私のモレスキンノート」が出来上がっていきました。
とにかくなんでもこれに書いてある。
そのノートには、とても愛着が湧いて「大好きな私の記録」として毎年積み重ねています。
もちろん、アナログが全てではないので、スマホやタブレットのメモに全て入っているというのでも構わないと思います。
こうして考えると、エンディングノートがかけない人も、きっと
- 綺麗に書きたい
- こんなことは書くまでもない
と思ってしまって、手が止まっているのかもしれませんね。
書き過ぎたら消しても良い。だからまずは書いてみる
先ほどのフォーラム登壇者のお二人も
書かなくて不安になるくらいなら、書き過ぎでもなんでも書いたほうが安心
というお話をされていました。
エンディングノートって、まさにこれ。
- 何を書こうか・・
- こんなことは書かなくても・・・
なんて思っていると、いつまでも書けないと思うのです。
- 整理してから
- 何かが決まってから
そう思いながら、頭でごちゃごちゃ考えていませんか?
エンディングノートには法的な効力はありません。遺言書のように「こう書きなさい」という決まりもありません。
正しい書き方なんていうのもない。
でも、書いたから褒めてくれるわけでも、何か賞をいただけるなんていうものでもない。
でも、いろいろ書いておくことで、自分にもしものことがあった時や、判断能力が亡くなった時でも、自分の意思を尊重してもらえるチャンスがあります。
最期まで自分らしく生きたい
自分らしくありたい
そう思う方は、ぜひともエンディングノートに書き込んでください。
書く内容は何でも良いのです。書き始めに構えてしまうようであれば、
- 自分の今の気持ちでも
- 忘れたくないことでも、
- れだけは伝えたいということでも
- 隠してあるけど何かの時にはみつけて欲し物の置き場所でも
何でも良いので書き始めてみる。
もちろん、ノートだって何でも大丈夫。
売っているエンディングノートは好みじゃない!という方は、お好きなノートで始めてください。
私のようにお気に入りの手帳がある方は、そこに書いてみましょう。
それでもエンディングノートがあったほうが書きやすいなぁ・・と思う方、協会オリジナルノートの購入もできますので、お気軽にお問い合わせくださいね。