特定非営利活動法人エンディングノート普及協会

相続「家や土地はいらないの」と思う方は早めの準備を

著者:akagawa

相続「家や土地はいらないの」と思う方は早めの準備を

3月に亡くなった義弟の関係で、ちょこちょこ家庭裁判所の家事相談窓口にいくことがあります。

そこでよく相談員さんと相談者さんが行っている押し問答。

相談者:家と土地は相続したくないので、相続放棄したいんで

相談員さん:相続放棄は、自分が相続人であることを知ってから3ヶ月以内にしないといけませんが、いつお知りになりましたか?

相談者:そりゃ亡くなった時に・・・(この場合、知ってから3ヶ月以上経っている人が多い)

相談員さん:なぜ、今まで放置していたのですか?

相談者:そんな期限があるとは知らなかったから・・・

相談員さん:3ヶ月過ぎたら相続放棄はできないんですよ

相談者:それじゃどうしたら良いのですか??

=押し問答は続く・・・=

相談に来た「相続に関係のある人」の気持ちも、言い分もわからなくありません。

でも、法律で決まっているんですよね。

そして、相続放棄は「家や土地だけいらない」はできません。

また「残っていた預金からいくらか使った」という場合も、相続放棄ができなくなることがありますので、ご注意を。

相続放棄も一筋縄ではいきません

義弟が亡くなり相続の話し合いをする中で、子どもたちは相続放棄して義妹だけが相続するようにしようということになり、相続放棄の手続きのために行っています。

亡くなって悲しいのはもちろんですが、家族にはやらなくてはいけないことも沢山。

相続の手続きと一言で言いますが、実はやることは多岐にわたります。

私は、義弟の子どもの相続放棄の代理人になりました。

え?子どもの代理人?なにそれ?ですね。

子どもが未成年の場合には、子ども本人が相続放棄の手続きを行うことができず、代理人が必要になります。

本人が手続きできれば

その場で受付完了→受理されれば書類が家に届く

と、1回で済むのですが、未成年など代理人が必要な場合は、家庭裁判所とのやりとりは少なくとも2往復は必要になりますので、それだけ時間はかかります。

本人が相続放棄を行える場合は、書類に必要事項を書き、必要書類や必要な切手や印紙を揃えて提出。

この「必要書類」が曲者の場合もあります。

相続放棄の申述書を提出するのは、亡くなった人(被相続人)の最後に住んでいた(住民票)のある家庭裁判所です。

なので、

  • ご自身が相続人で相続放棄をしたい
  • でも、亡くなった人(被相続人)は離れて住んでいる
  • 仕事も忙しく、亡くなった人(被相続人)が最後に住んでいた市町村の家庭裁判所までいくことは難しい
  • 郵送で済ませたい

と思いますよね。もちろん、郵送は可能です。

が、郵送する、他の人が代理で提出に行くなど、本人が申述書に押印した印鑑がその場(申述書と一緒に)ない場合は、印鑑証明も必要になります。

この印鑑証明・・・みなさん、印鑑登録カードはすぐにわかるようにしていますか?

最近では、印鑑登録カードがあれば、現在はコンビニなど専用端末のあるとこでは24時間発行できます。

が・・・コンビニで発行するとなると、マイナンバーカードが必要。

あれ?マイナンバーカード発行してないかも?という人は、コンビニで証明書の発行はできないので、役所の開所時間内に発行手続きに行かないといけませんねぇ。

って・・・・

ここまで読んでいただいてもわかるように、

相続放棄には必要書類を揃えて家庭裁判所に提出します

という「相続放棄 手続き」と検索して表示される、いかにも簡単そうな一文の裏には、一筋縄には行かない問題が潜んでいることもあるのです。

相続放棄には期限と決まりがあるのです

相続放棄をする場合には、自分が相続人であると知った日から3ヶ月以内に相続放棄の手続きを行うことになっています。

3ヶ月を過ぎてしまうと「単純相続」をしたとみなされ、仮に相続するものよりも負債(借金など)が多かった場合も、その負債を相続したことになります。

なので、最初の押し問答。

相談員さん:相続放棄は、自分が相続人であることを知ってから3ヶ月以内にしないといけませんが、いつお知りになりましたか?

という質問になるわけですね。

また、3ヶ月以内であっても相続放棄できなくなる場合があるのです。

  • 亡くなった人(被相続人)の預貯金の口座の名義を、相続人の名義に変更してしまった
  • 負債があるのを知らずに、遺産分割協議書を作成して相続手続きを進めてしまった
  • 亡くなった人(被相続人)宛に届いた支払い請求について、支払いをしてしまった

これらがあると、たとえ3ヶ月以内であったとしても相続放棄ができなくなります。

結構やってしまっている方、おられます。

家や土地はそのまま手付かずで、名義変更もしていない。

でも、預貯金については、銀行口座が凍結していては困るので手続きをし、名義も変えてしまった・・・とかね。

それから「負債があるのを知らずに・・・」なんて、そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、実はクレジットカードで高額な買い物をしていたことを、遅れてきた請求書で知る・・・なんてこと、よくありますよね。

そして、もっともやりがちなのが「亡くなった人宛に届いた支払い請求の支払いをしてしまう」というもの。

例えばクレジットカードの支払い。

1万円くらいだからと、振込用紙で支払ってしまった。

これでも

亡くなった人(被相続人)の負債を引き継いだ=相続した

と、みなされます。

相続放棄は、

あれはいるけど、これはいらない

ということはできないので、相続を放棄するとなったら、

プラスもマイナスも全部放棄

ということなのです。

そうしないで「預貯金はいるけど、家と土地はいらないから」と、勝手に預貯金の口座だけ動かしてしまったり、先ほどのような支払いをしてしまうと「単純相続」と言って「あなたが相続するのですね」と、相続の意志があるということになるのです。

なので、最初の押し問答を見るたびに「相続について”知らない”じゃ、済まされないんだよなぁ」と思うわけです。

 

もっと詳しいことは、協会の終活サポート事業部で専門家がご相談に応じております。

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相続手続きには期限があるのです

 

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